「抜け毛が気になるけど、育毛剤や薬には頼りたくない…」「日々の暮らしのなかで手軽に薄毛のケアができたらいいのに…」そんなお悩み、お持ちではありませんか。
実は毎日の栄養に気をつけることで薄毛対策が可能です。この記事では、女性の薄毛対策におすすめの栄養素や食べ物を解説します。心がけたい生活習慣についても紹介しますので、参考にしてみてください。
女性の薄毛対策に欠かせない栄養素5選
体の細胞は食べたものから作られます。髪の毛も例外ではありません。つまり女性の薄毛対策には摂取する栄養素が非常に重要です。まずは女性の薄毛対策に欠かせない栄養素を5つ紹介します。
タンパク質
髪の毛の約9割がケラチンと呼ばれるタンパク質です。
構成材料であるタンパク質が不足すれば健康な髪の毛は育ちにくくなります。
タンパク質は肉や魚に含まれる動物性タンパク質と、豆や穀類に含まれる植物性タンパク質に分かれます。
タンパク質を構成するアミノ酸のうち、髪の育成に深くかかわるのが、体内で合成できない”必須アミノ酸”です。
動物性タンパク質は、この必須アミノ酸を豊富に含みます。
そこで、薄毛が気になる方におすすめなのが青魚です。
青魚には含まれるDHAやEPAはオメガ3脂肪酸と呼ばれ、血流促進作用があります。
しかし動物性タンパク質は高脂肪・高カロリーの食材が多く、過剰摂取は肥満や高血圧の原因になりかねません。
一方、植物性タンパク質は含まれる必須アミノ酸は少ないものの、食物繊維が豊富で、血圧や糖尿病への作用も期待されています。
とくに畑の肉と呼ばれる大豆に含まれる大豆タンパク質には、血中コレステロールを下げる可能性が期待されるレシチンと呼ばれる成分が入っていて、血管強化作用や血行促進作用があると考えられています。
ただ、植物性タンパク質は吸収されにくいため、動物性タンパク質と植物性タンパク質の両方を偏りなく摂取するのが望ましいでしょう。
タンパク質を多く含む食べ物
- 肉
- 卵
- 魚
- 大豆
など
亜鉛
亜鉛はミネラルの一種で、皮膚や髪などの成長をサポートします。
髪の毛の主成分であるケラチンの合成にも必要で、薄毛が気になる方は積極的に摂取すべき栄養素といえます。
ただし過剰摂取は吐き気や下痢、頭痛などを誘発するので注意が必要です。
亜鉛を多く含む食べ物
- 牡蠣
- 牛肉
- 豚レバー
- 牛肉の赤身
- 大豆製品
など
ビタミン群
ビタミン群は皮膚や粘膜を正常に保つほか、爪や髪の健康維持などの働きがあり、総じて薄毛ケアに有用です。
たとえばビタミンB2、B6には皮脂の過剰分泌をおさえる働きがあり、脱毛の一因となる毛穴詰まりを間接的に防いでくれます。
ビタミンCは頭皮環境を整えるほか、皮膚を構成するコラーゲンを合成する際にも必要となる成分です。
若返りのビタミンとも呼ばれるビタミンEは強い高酸化力を持ち、健康な髪の成長を助ける作用があります。
ビタミンH(ビオチン)は糖分や脂肪の代謝をサポートします。アミノ酸が体内でケラチンに再合成されるときにも欠かせません。
ビタミン群を多く含む食べ物
- フルーツ、緑黄色野菜など(ビタミンA、C)
- 卵、レバー、酵母など(ビタミンB群)
- ナッツ類など(ビタミンE)
鉄分
鉄分は血を作るために重要です。
鉄分が不足して貧血になると、髪の成長に必要な栄養が行き届かなくなります。すると髪のやせ細りや薄毛に繋がります。
女性は鉄分が不足しやすいといわれているため、積極的に摂取しましょう。
動物性タンパク質やビタミンCを一緒に摂取することで吸収率が高まります。
鉄分を多く含む食べ物
- 牡蠣
- 牛レバー
- 牛肉
など
コラーゲン
コラーゲンはタンパク質の一種で、血管の弾力維持や健康的な髪の育成にかかわっています。
エラスチン、ヒアルロン酸とともに肌を構成する三大要素でもあるコラーゲンは皮膚のうるおいやハリにも大きく寄与します。
一昔前まで、コラーゲンは経口摂取してもその効果を期待できないといわれていましたが、 現在では経口摂取に効果があるという研究結果も報告されています。
コラーゲン多く含む食べ物
- ゼラチン
- 手羽先
- 豚肉
- 湯葉
など
髪に必要な栄養素がたっぷり!女性におすすめの料理
次にこれらの栄養素がたっぷり含まれた、女性におすすめの料理を紹介します。ポイントもあわせて解説しているのでぜひトライしてみてください。
タンパク質を多く含むおすすめ料理
- ポークソテー
- ゆで卵
- マグロの刺身
- 冷やっこ
- 炊き込み玄米
マグロの刺身や豚肉にはタンパク質を体内で合成するために必要なビタミンB6も含まれています。
卵料理もおすすめですが、気をつけたいのが、その調理方法です。
というのも、黄身に含まれるビタミンH(ビオチン)には髪の成長を助ける働きがあるのですが、白身と混ざると、その効果が薄れてしまうのです。
ゆで卵や卵焼きのような白身と黄身が混ざらない料理がベターでしょう。
植物性タンパク質が豊富な玄米や豆腐もおすすめです。
亜鉛を多く含むおすすめ料理
- ビーフストロガノフ
- ゴーヤーチャンプルー
- 牡蠣フライ
- ほうれん草と油揚げのお浸し
亜鉛は単独だと吸収されにくいですが、ビタミンCと摂取することで吸収されやすくなる特性を持ちます。
ビタミンCが含まれるゴーヤーなどを使った料理はおすすめです。
牡蠣フライはレモンを絞るとさらによいでしょう。
レモンに含まれるクエン酸も亜鉛の吸収率を上げる働きがあります。
ビタミンを多く含むおすすめ料理
- ナムル
- うな重
- 野菜炒め
- 野菜サラダ
ビタミンA、D、E、Kなどの「脂溶性ビタミン」は油と摂取することで吸収率が上がります。ナムルや野菜炒めなど油を使った料理がおすすめです。
野菜サラダには、アマニ油を使ったドレッシングをかけるよいでしょう。アマニ油はオメガ3脂肪酸が含まれるため、髪への効果が期待できます。
鉄分を多く含むおすすめ料理
- ひじき炒め
- 豚肉野菜炒め
- ほうれん草のポテトグラタン
- レバニラ
鉄には肉や魚に含まれるヘム鉄と、野菜などに含まれる非ヘム鉄に分かれます。
非ヘム鉄は吸収率が低い特性を持ちますが、動物性タンパク質やビタミンCと摂取することで吸収されやすくなります。 ビタミンCが豊富なじゃがいもを使った、ほうれん草のポテトグラタンや、肉に含まれる動物性タンパク質を同時に摂取できるレバニラは薄毛対策にピッタリといえるでしょう。
コラーゲンを多く含むおすすめ料理
- 牛筋煮込み
- 豚の角煮
- うな重
- うなぎの蒲焼
コラーゲンはビタミンCや鉄分とあわせて摂取すると吸収率が上がります。
牛筋はコラーゲンのほか、鉄分(ヘム鉄)やビタミン群、タンパク質などを含んでおり、薄毛ケアに有用です。 またビタミンA、B1、B2、Eなど、髪に嬉しい成分が含まれるうなぎ料理もよいでしょう。
薄毛を改善したい女性が気をつけるべき食習慣
いくら髪の毛によい栄養を摂取しても、薄毛の原因となる食生活を送っていては、薄毛の改善はままなりません。そこで次に、薄毛に悩む方が避けるべき食習慣を解説します。
アルコールの過剰摂取
アルコールも、適量であれば血流アップやストレス解消効果が期待できます。
しかし飲みすぎると薄毛の原因になりかねません。
アルコールが体内に入ると、肝臓で毒性物質のアセトアルデヒドが作られます。
アセトアルデヒドの分解には髪の毛の成長に欠かせない亜鉛やアミノ酸、ビタミンが使われます。
結果、栄養が足りず、薄毛や抜け毛に繋がることがあるのです。
深酒は控えるのが賢明です。
暴飲暴食
髪の毛の育成には栄養分は大切ですが、過剰摂取は逆効果になりかねません。
たとえば脂肪分が多い動物性タンパク質は、必要以上に摂取すると薄毛の一因となる肥満を招きます。
また単純に食べすぎは内臓へ負担がかかります。
消化器官の機能が低下すれば吸収率も低下し、髪の成長に必要な栄養が足りなくなるリスクもあります。
揚げ物・塩分のとりすぎ
揚げ物など脂っこい食べ物はとりすぎると、皮脂の過剰分泌を誘発します。
すると毛穴詰まりを引き起こし、薄毛や抜け毛の原因になってしまうのです。
また塩分が過剰になると血圧が上がり、血流が悪化します。とくに日本食(醬油、塩魚、干物、漬物、味噌汁)は塩分が多いので要注意です。
女性の薄毛対策のために心がけたい食べ物以外の生活習慣
実のところ、女性の薄毛の原因は詳しくは判明していません。ただ髪の毛の成長には、栄養分が必要であることは間違いありません。
つまり、少なくとも栄養を届けるための血流は健康的な髪の育成に重要といえます。そこで以下では血行促進のアプローチからの薄毛対策として、心がけたい生活習慣を紹介します。
禁煙
煙草に含まれるニコチンには、動脈を収縮させる作用があります。
血管が収縮すれば血流が滞り、髪に必要な栄養が届きにくくなります。
またニコチンを代謝するときに、髪の主成分であるケラチンの合成に必要なビオチンが消費されます。
つまり喫煙は、間接的に髪の成長を妨げることになるのです。
薄毛に悩む人は禁煙するべきでしょう。
運動
血行促進のためには、運動も習慣にしたいところです。日中しっかり身体を動かすことで睡眠の質も上がります。
望ましいのは有酸素運動ですが、時間がなかったり、億劫に感じたりする方もいるかもしれません。その場合は軽いストレッチでも血流は促進されます。
オフィスで一日中座りっぱなしの人には、「足首パタパタ体操」がおすすめです。
第二の心臓といわれるふくらはぎを動かすことで、血流アップが見込めます。
■足首パタパタ体操のやり方
STEP1:骨盤を立てて浅く座る
STEP2:かかとを上げ下げする
STEP3:つま先を上げ下げする
入浴
湯船につかると体温が上昇し、血管が拡張します。ポイントは、全身つかることです。半身浴では十分に温まらないため、肩までつかるようにしましょう。
薄毛を改善したい女性が気になる食べ物についてのQ&A
問題ありません。
栄養バランスに配慮した食生活はたしかに重要ですが、献立を考えるのも大変です。食べ物からの摂取が難しい栄養素も、サプリメントなら簡単に取り入れられます。
おすすめは、髪の育成に必要な栄養がバランス良く含まれる育毛ケア用のサプリメントです。
ただし、サプリメントを飲むだけで薄毛が改善することはありません。
またサプリメントのなかには、医薬品との相互作用で医薬品の副作用が強く出るものもあるので注意しましょう。
水、緑茶、豆乳などがおすすめです
水分を摂取すると血流が促進し、髪の育成に必要な栄養や酸素が頭皮に届きやすくなります。
また緑茶に含まれるカテキンには抗酸化作用があり、抜け毛の一因である活性酸素をおさえる働きが期待できます。
女性の薄毛原因のひとつに、女性ホルモンの分泌量の低下があるとされています。
豆乳に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンの「エストロゲン」と似た働きするため、女性の薄毛対策に有用といえます。
ただ、飲むだけで薄毛が改善することはありません。
やり方次第では薄毛の原因になることがあります
栄養をしっかり摂取した上で、適度に運動して減量する方法なら問題ありません。
けれども過度な食事制限は、薄毛の引き金になることがあります。
たとえばタンパク質が不足すれば髪の毛が作れなくなりますし、脂質の摂取量が少ないと皮脂分泌量も減り、頭皮環境が悪化します。
栄養不良は女性ホルモンのバランス乱れにも直結します。ダイエットはほどほどにしましょう。