薄毛対策をうたったサプリメントは数多く存在します。ドラッグストアなどの市販品やネット通販で簡単に入手できますが、「サプリメントの栄養素がどう髪の毛によいのか知りたい」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は髪の毛に効く栄養素や、それをサプリメントで摂取するメリット・デメリット、また購入時の注意点などについて紹介していきます。
【サプリで摂取可能】髪の毛に効く栄養素とは
髪の毛は、摂取した栄養素でできています。
薄毛対策においては、栄養状態に気を配ることがきわめて大切です。
髪の毛に効く成分には、たとえば以下のようなものがあります。
- ケラチン
- 亜鉛
- L-リジン
- L-システイン(シスチン)
- アミノ酸
- ビタミン類
- コラーゲンなど
髪の毛の育成をサポートする栄養素
ケラチン
髪の毛は主にタンパク質で構成されますが、タンパク質の約9割はケラチンです。つまり髪の毛の大部分はケラチンということになります。
ケラチンは髪の毛の弾力維持や、髪の毛が生え変わる周期である「ヘアサイクル」などに関係しているといわれています。
ケラチンについてはこちらをご覧ください。
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亜鉛
亜鉛は、体内に存在する微量ミネラルです。
亜鉛にはヘアサイクルをサポートする働きなどがあると考えられています。市販品のサプリメントにも亜鉛が含まれるものは多いです。
体外から取り入れたタンパク質は体内でアミノ酸へ分解され、ケラチンに再合成されますが、その際にも亜鉛が消費されます。
L-リジン
L-リジンは、必須アミノ酸のひとつです。
ケラチンの生成を促進し、髪の毛のハリやコシ、肌のターンオーバーなどにもかかわっているとされています。市販のマルチビタミンサプリメントなどに配合されている場合もあります。
L-システイン(シスチン)
L-システイン(シスチン)は、タンパク質を構成するアミノ酸です。髪の毛をはじめ、皮膚の角質層や爪などに多く存在します。
髪の毛の弾力やコシ、肌の代謝などにかかわるとされ、トリートメントやシャンプーなどのヘアケア製品にもよく配合されます。
頭皮環境を健康に保つ栄養素
ビタミン類
ビタミン類は頭皮環境を正常に保つ栄養群です。
たとえばビタミンEは皮脂分泌をコントロールする働きがあると考えられています。
ビタミンAは皮膚のうるおいをキープする働きが、ビタミンB2、B6には皮脂の分泌を正常に保つ働きがあるといわれています。
ビタミンCは皮膚にうるおいを与え、また皮膚の弾力にかかわるコラーゲンの産生にも必要です。葉酸には血液の生成を助ける作用が期待できます。
グルタミン酸
健康な髪の毛が成長するためには、頭皮がうるおっていることが重要です。
グルタミン酸はアミノ酸の一種で、頭皮にうるおいを与える作用が期待できます。
皮膚のうるおいには角層に存在する「皮脂膜」「天然保湿因子」「細胞間脂質」といった保湿因子が関係していますが、「天然保湿因子」の一部を担うのがグルタミン酸なのです。
コラーゲン
コラーゲンはタンパク質の一種で、皮膚のうるおいを保つ血管の弾力を維持する作用や健康な髪の毛の成長を促す作用が期待できます。
実は少し前までコラーゲンの経口摂取は効果がないとされていました。なぜならコラーゲンを経口摂取してもアミノ酸に分解されるだけと考えられていたためです。しかし近年コラーゲンの低分子であるコラーゲンペプチドには効果があることが立証されています。
栄養素が不足した場合の髪の毛への影響
では、栄養素が不足すると髪の毛にどんな影響が生じるのでしょうか。
栄養不足による髪の毛への影響①:薄毛や抜け毛
お伝えしているように、髪の毛の主成分はケラチンです。髪の毛の材料ともいえるケラチンをはじめとしたタンパク質が不足すると、その成長に支障をきたし薄毛になるリスクが高まります。
ケラチンが不足するとパサつきや抜け毛、やせ細り、髪のうねりなどの原因になることもあります。
また亜鉛が不足すると健康な皮膚を保てなくなり、皮膚炎やかゆみなどの頭皮トラブルにつながるケースがあります。頭皮トラブルに起因する薄毛や抜け毛のリスクも高まることになるわけです。
栄養不足による髪の毛への影響②:乾燥や頭皮環境の悪化
ビタミンAが不足すると皮膚の代謝に影響が出たり乾燥やフケ、かゆみなどを招いたりすることがあります。
肌のうるおいに関係するコラーゲンの生成を助けるビタミンCが不足すると乾燥の原因になりかねません。
髪の毛の太さや弾力に影響が生じ、薄毛が進行してしまうケースもあります。
ただし過剰摂取には注意
ただし、こうした髪の毛に対してプラスの働きをする栄養素も、とり過ぎには気をつけなければなりません。
たとえば亜鉛の長期にわたる過剰摂取はめまいや吐き気などを引き起こすことが報告されています。
またタンパク質の過剰摂取は血中のコレステロールを上昇させます。
血中コレステロールが増加すると血流悪化を招き、髪の毛の成長に必要な栄養素が届きにくくなります。結果的に薄毛を招く可能性があるのです。
髪の毛に効く栄養素をサプリで摂取するメリット・デメリット
栄養素はサプリメントで摂取できます。では、髪の毛に効果的な栄養素をサプリで摂取した場合、どのような利点、また欠点があるのでしょうか。
栄養素をサプリで摂取するメリットとデメリットを紹介します。
栄養素をサプリで摂取するメリット
気軽にはじめられる
育毛剤や発毛剤の用途は薄毛対策に限定されます。そのため、周囲の目が気になり、使用することがためらわれるという方も多いでしょう。
その点、栄養補給を目的としたサプリメントであれば、薄毛を気にしていることが周囲にばれにくくチャレンジのハードルは低いといえます。手軽に薄毛ケアができるのです。
必要な栄養素を効率的に摂取できる
髪の毛に好ましい働きをする栄養素も、普段の食事から効率的に摂取するのは難しい場合があります。というのも、栄養素には相性があり、特定の栄養素と一緒に摂取することで吸収率や効果が変動するものがあるからです。
たとえば亜鉛はビタミンAやビタミンCと一緒に摂取することで吸収率が高まります。アミノ酸はバランスよく摂取してこそ効果を発揮する栄養素です。ほかにもコラーゲンは鉄分とあわせて摂取すると吸収率が上がります。
サプリメントであれば、栄養素の相性が考慮されているため、効率よく摂取可能です。
とりわけ育毛サプリは髪の毛に対する効果が発揮されるよう配合バランスが調整されています。
髪の毛以外への効果も期待できる
育毛剤や発毛剤は薄毛対策に効果的な成分の作用により、抜け毛予防や発毛促進を図るものです。基本的に期待できるのは髪の毛に対する効果のみです。
他方、サプリメントは髪の毛の成長に必要な栄養を補給することで薄毛対策をするものです。
そのため髪の毛以外への効果も見込めます。
栄養素をサプリで摂取するデメリット
サプリそのものに髪の毛を生やす効果はない
サプリメントの役割はあくまでも栄養補給です。
栄養状態が向上した結果として薄毛が改善することはあっても、サプリメントを摂取するだけで薄毛が改善されることはありません。
過剰摂取になりやすい
栄養素には過剰摂取による健康への影響の懸念から、摂取目安量が設定されているものがあります。
普段の食事からの摂取ではとり過ぎになりにくい栄養素も、簡単に摂取できるサプリメントの場合、注意しないと目安量を超過して摂取してしまうことになりかねません。
サプリメントの摂取時の注意点
- 飲み合わせには注意をする
サプリメントには薬と相互作用するものがあります。 - 決められた摂取量を守る
決められた摂取量を守ることが重要です。 - 水か白湯で飲む
サプリメントの栄養素の吸収を妨げないよう、水またはお湯で飲みましょう。
育毛サプリについての注意点などはこちらをご覧ください。
昨今、薄毛改善効果をうたった育毛サプリが販売されています。しかし、「育毛サプリは効果がない」「意味がない」など育毛サプリの効果に否定的な意見もあることから、購入に踏み切れないでいる方も多いでしょう。実際のところ、育毛サプリは薄毛を改善する[…]
サプリメントを買うときの注意点を紹介【通販・市販品】
では、サプリメントを購入する際、どのようなことに気をつけるべきなのでしょうか。
最後にサプリメントを買うときの注意点を通信販売で購入する場合と市販品を店舗で購入する場合のそれぞれについて解説していきます。
市販品の場合
サプリメントは有名メーカーのものや高価なものがいいとは限りません。
自分の求める成分が配合されているものをチョイスすることが大切です。
保健機能食品(特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品)が販売されている店舗では薬剤師や「サプリメントアドバイザー」と呼ばれる専門の相談員が駐在している店舗があります。
どれを選べばよいかわからない場合、相談するとよいでしょう。
通販の場合
通販の場合、非常に多くの商品から選ぶことができます。しかしだからこそ、選択肢が広すぎて迷ってしまうこともあるかもしれません。
お伝えしているように、サプリメントは成分を基準に選ぶことが大切です。インターネットの人気ランキングを基準に選ぶといったことはしないようにしましょう。
また通販ならではのリスクに以下のようなものがあります。
- 商品が届かない
- 契約トラブル
- 粗悪品が届くなど
なかでも最近急激に増えているのが、「1回だけのお試しのつもりで購入したら定期購入になっていた」「いつでも解約できるとされていたのに解約できない」といった定期購入トラブルです。
通信販売では、消費者が直接商品を確認できないことをいいことに、悪質な手法をとる業者も一定数存在します。サプリメントを通信購入する場合、事前に販売会社についても調べるようにしましょう。